野球ユニフォームマークは多種多様な加工方法があります。

安価にできるものから、豪華にみせるもの。また、素材にあった加工方法や小ロットに適したもの。                                     

その状況にあったベストの加工方法を提供するのは、我々のようなマークに携わったものにしか出来ないと思います。

このページでは、そのような加工方法の種類を説明してみたいと思います。

チームウェアを作る際の参考にして頂ければ幸いです。

1重圧着
2重圧着

圧着加工とは、マーク専用の生地をカットして、専用の熱プレス機で圧着したものです。

この加工方法は、全ての競技に用いられます1枚のマーク生地を使用したものを1重圧着といい、2枚のマーク地を重ねた物を2重圧着といいます。

この加工方法のメリットとしては、安価な金額で制作出来、比較的短納期に対応することが出来る点がありますが、デメリットとして、熱でプレスしての加工ですので、使用頻度または洗濯状況によって、剥がれる危険性が有ります。

特に現在ポリエステル素材が増えてきていますので、剥がれやすくなってきているように感じす。

3枚マーク地を重ねる3重圧着も存在しますが、競技用としては、使用頻度に耐えられないということで、当社では、あまりおすすめしていません。

1重チドリ刺繍
2重チドリ刺繍

また、このチドリ刺繍はプロ野球でも多く用いられています。

現在では、デジタル化が進んで減ってきてはいますが、読売巨人軍などは今でもチドリ刺繍を採用していますし、メージャーでは今でもほとんどがチドリ刺繍加工です。

玄人好みの加工方法とも言われています。   

縁取り刺繍は、専用マーク生地の縁を刺繍で縁取って行くという加工方法です。

縁取り刺繍には、マーク生地と同色で縁取るパターンとマーク生地と他色で縁取るパターンが有ります。

1番豪華に見える加工方法で、主に野球での使用が多いです。

この縁取り刺繍は、チドリ刺繍と組み合わせたり、ダブルで縁とったりと汎用性にたけた加工と言えます。

豪華に見える点はメリットですが、デメリットとしては、糸の密集によりユニフォーム自体が重くなるという点が有ります。

高校野球などではよく用いる加工方法です

直接刺繍とは、ウェアに直接刺繍をほどこす技法です。

野球のユニフォームでは、袖にもちいたり、グランドコートの胸にもちいたり、また、帽子・作業着の個人名であったり、ポロシャツのチーム名であったりと、多種多様な場面でよく採用されます。

刺繍も1色だけではなく2色で表現したり、影をつけたりと、バリエーションにとんだ加工ができます。

直接刺繍をもちいるメリットは、比較的安価で豪華に見える点ですが、デメリットとしては、大きな柄の表現には不向きといえます。

また、柔らかい素材(特にポリエステル素材のTシャツ)などには採用しないほうがよいです。

帽子刺繍は、通常の刺繍とウレタンを用いて盛り上げる3D刺繍が有ります。

帽子刺繍は、ウエアに刺繍するのと違って難易度が高い刺繍になります。

単色であればそうでもないのですが、多色となるとデーターも緻密に作る必要があります。

それを3D刺繍にするためにはかなりのスキルを要します。

データーは平面状で作成しますが、実際は、曲面で刺繍しなければいけません。

帽子の素材・形状を考慮してデーターを作成する必要に迫られます。 

プリント加工は、2種類に分かれます。

シルクプリントとラバープリントです。

この加工は、一般のウェアなどによく使われる加工方法です。

インクをウェアに付着させるのですが、その際にガリ版状の版を作成し、その版にインクを流し込みプリントしていきます。

1色1版というのが基本ですから、多色になってくると版代がその分かさんでゆきます。

小ロットの場合コストパフォーマンスには欠けますが、耐久性には優れています。

ロットがある程度まとまると、このシルクプリントがお薦めです

この加工は、薄いラバーシートをカッティングし、プレス機で熱圧着します。

デジタルでのデーターになりますので、版が存在せず版代がかからないことで、比較的安く短納期に対応しやすいというメリットがありますが、熱で圧着しますので、使用頻度によっては剥がれてしまう可能性が有る点はデメリットですし、小さな文字はカッティングできないのもデメリットの一つです。

転写マークとは、特殊な薄いフィルムに柄を印刷し、その素材をプレス機でウエアに熱圧着して転写させたものを言います。

デジタルにてデーターを作成しますので、版代がかからず色数も問うことはありません。

比較的安価な加工方法ですが、大きな柄になるとインクのランニングコストがかさむため高くなってしまいます。

また、大きな柄は、多少ゴワつく感じが有りす。           

昇華プリント加工は、近年増えてきた加工方法です。

この加工方法を使用することで、オリジナルのオーダーユニフォームを作ることが可能になりました。

画期的な加工方法ですが、デメリットも存在します。

白色のポリエステル生地にしか反応しないという欠点があるため、色物のウエアには加工できません。

そこを逆手にとってオーダーでユニフォームを作るという発想が生まれました。 

      

昇華プリントとは、白のポリエステル100%の生地に、特殊なインクを200°ほどの熱でプレスします。

すると、そのインクが気化し生地に染色されます。これらのことが昇華プリントといいます。

この加工法を用いることで、多種多様なデザインのユニフォームを制作することが可能になりました。

ただ、この加工法にもメリットとデメリットが有ります

メリット

  1. 生地に染色していますので、通気性が変わらず、ユニフォーム事体が軽い
  1. オリジナルに富んだデザインが可能(グラデーションもOK)
  1. デジタルで管理しますので、商品の廃盤が無い
  1. シルクプリントのような版が存在しないので、小ロット物に最適
  1. チーム独自のオリジナルユニフォームを作成することが可能
  1. 基本オーダーですので、どのようなサイズでも可能

デメリット

  1. オーダーユニフォームですので、短納期に対応できない。
    デザイン⇒パターン作成⇒裁断⇒プリント⇒縫製。これらの工程が有ります。             
  2. 白のポリエステル100%の生地にしか反応しないので、色物の既製品には加工できない
  3. 染色を基本にしていますので、極端な熱には弱い。アイロンを使用すると色がアイロンに移染し商品を汚す危険性がある